本論文は、ゲーリー・スナイダー(Gary Snyder, 1930―)のエコロジー思想を支える「バイオリージョナリズム」(“bioregionalism” 生態地域主義/生命地域主義)に着眼し、スナイダーの選詩集『ノー・ネイチャー』(No Nature 1993)、及び『終わりなき山河』(Mountains and Rivers Without End 1997)に収録された作品群を「バイオリージョナリズム」の発露と位置づけ、アメリカン・ネイチャーライティングの伝統におけるスナイダー作品の独自性と意義を考察し、作品に表現された自然の営みに基づく新しい人間の生き方を探った。