フーヘル研究−詩集のツィクルス構造と「徴」・「ことば」・少数民族形象−(杉浦謙介)

 フーヘルの詩においては、つぎの三点、すなわち、詩集としての統一的構造体(ツィクルス)、「徴」という特殊な記号、そして、少数民族の形象が重要である。フーヘル自身も、あるいは、研究者も、断片的にではあるが、この点に言及してきた。しかし、この三点について全体的に考察した研究はまだない。本論の目的は、この三点について体系的かつ網羅的に考察することである。
 本論の方法は、歴史的・政治的・文化史的背景も十分考慮に入れつつ、主に、詩集のツィクルス構造との関連のもとで多くの詩を解釈することによって論考をすすめていく。
 本論の成果は、フーヘルのすべての詩集のツィクルス構造を解明し、その構造のなかで展開される「徴」・「ことば」のテーマを明らかにしたことであり、また、フーヘルの少数民族形象(ヴェンデン人の形象、ジプシー形象、ユダヤ・ヘブライ形象)の意味を明らかにし、この形象が各詩集のツィクルス構造と密接に結びついていることを示したことである。

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